糖尿病

糖尿病について

糖尿病とは、膵臓で作られるインスリンというホルモンが不足したり、働きが悪くなることで、血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り入れられずに、ブドウ糖の濃度が高くなった(=高血糖)状態が続く病気です。
この高血糖状態が続くと、やがて全身の血管がむしばまれ、糖尿病網膜症(失明に至ることも)、糖尿病腎症(腎臓の機能が低迷し、やがて透析に至る)、糖尿病神経障害(異常3つを「糖尿病の三大合併症」と呼ぶ)、心筋梗塞、脳卒中などの病気(合併症)を発症します。しかもこれらの合併症はなんの自覚症状もなく、少し血糖値が高い、糖尿病予備群と呼ばれる初期の段階からひそかに進行しているのです。
そのため、糖尿病と診断されたら少しでも早く治療を開始し、食事療法・運動療法を含めた治療を継続することが大切です。症状がないからと血糖値が高いまま放っている人も、治療を始めたものの「薬の副作用が心配」「薬を飲み忘れる」など、いろいろな理由で治療を中断してしまった人も、まずは医療機関を受診しましょう。医師の指導に基づき、診断早期から治療を開始して血糖を適切にコントロールすれば、合併症を未然に防ぐことも十分に可能です。糖尿病は、このように早期から医師、ご家族の協力のもとじっくりと治療に取り組むことが大切です。

年々、糖尿病・糖尿病予備群が増えている今、糖尿病は誰もがかかる可能性がある病気といえます。以前の検査結果と比べて血糖値が上がっていたら、なるべく早く専門医に相談しましょう。
早期治療のメリットは、血糖値のコントロールを早いうちからすることで合併症を防ぐことができ、健康な状態を保てること。自己流ではなかなか継続が難しいので、信頼できる医師を選ぶのもポイントです。


治療は自分の生活習慣を見直すことからはじめます。軽症の場合は、食事療法や運動を組み合わせて、血糖値をコントロールします。月に1回または、2ヶ月に1回程度の通院でOK。「糖尿病になると食べ物に制約があるのでは」と思いがちですが、あまり気にしすぎる必要はありません。早期の段階なら、栄養バランスが良い食事を心がければ、普通の人と一緒に食事もできます。

どうしたらうまく付き合っていけるか、長く続けられるか、ということを第一に治療を行います。場合によっては投薬治療も組み合わせますが、早期なら薬の効き目も高くなります。心筋梗塞など動脈硬化の予防には、早期治療が必要です。

「自己管理ができていないから糖尿病になったと思われ恥ずかしい」という人もいるかもしれませんが、一人で悩まずに、積極的に受診をしましょう。

糖尿病の治療

最近の研究により早期に治療を開始することがその後の心筋梗塞、脳梗塞や糖尿病の合併症予防に非常に有効であることがわかってきました。
食事や運動などの生活習慣の改善で血糖コントロールが良くなることもあります。それでも変化のないときは早めに薬を飲みはじめるのが重要です。
薬を飲みながら生活習慣も改善すれば薬の減量や中止も可能です。
大切な事は血糖が悪い状態を放置しないということです。

かくれ糖尿病に注意

厚生労働省が発表した2006年「国民健康・栄養調査」では、糖尿病の可能性が否定できない人が約1050万人、 糖尿病と考えられる人が820万人と実に40才以上の5.6人に1人が糖尿病あるいは糖尿病予備軍となることがわかりました。
糖尿病は初期にはこれといった症状がないため、軽く考えてしまいがちですが、進行すると様々な余病を引き起こし、健康寿命を短くしてしまいます。 糖尿病の方は平均寿命が男性で9年、女性で13年短いという報告があります。
しかし、血糖コントロールが良好であればこうした余病をきたさずに元気で長生きできることも証明されています。 ですから、症状のない早期からきちんと診断を受けて、定期通院することが大切になってきます。

さて、健康診断では一般に空腹時の血糖を測定していますが、糖尿病の早期では空腹時血糖は正常あるいはやや高値のことが多く、食後の血糖値が高い糖尿病の初期が見逃されてしまいます(かくれ糖尿病)。 この状態が続くと空腹時の血糖も上昇し、一日中血糖値が高い進行した糖尿病になります。
この「かくれ糖尿病」の状態でも心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化が進行することがわかっています。
また、進行した糖尿病では眼、腎臓、神経に障害を及ぼす危険性が高まります。 これらの病気を防ぐには早期発見、早期治療が最も重要です。

空腹時血糖が100 mg/dL以上の方、またはヘモグロビンA1c(HbA1c)が5.6%以上の方は「かくれ糖尿病」の可能性がありますので、食後の血糖測定、あるいはブドウ糖負荷検査を受けられることをお勧めします。
当院では血糖、HbA1cはその場ですぐに結果をお出しします。ブドウ糖負荷検査はご予約をお願いします。